2014年12月13日

シカゴのトップ・フットワーカー、LiteBulb(TH王RA)スペシャルインタビュー

Text by 徳永刻(Booty Tune)

Translation by TEDDMAN(Booty Tune)

Litebulb_monochrome.jpg

LiteBulbはTH王RA(THE ERA、ジエラ)というクルーで活動しているシカゴ最高峰のフットワーカー。アグレシッヴさとエレガントさを兼ね備えたステップで知られており、シカゴのシーンで絶大なプロップスを得ている。DJからの信頼も厚く、DJ Spinn & Taso「Burn The Kush」、DJ Rashad「Kush Ain't Loud」などのミュージック・ビデオに出演したり、DJ Rashad、DJ Spinn、RP Boo、Traxmanの海外ツアーに帯同してフットワークを披露するなど、シカゴのリアルなフットワークを世界に広める役割を担う存在だ。

今回来日することが決まったLiteBulbにメールインタビューを敢行した。DJ Spinn、Weezyと共に「Hyperdub 10th Anniversary Closing Party」(東京公演:19日(金)渋谷WOMB  大阪公演:20日(土)アメ村CIRCUS)に出演するほか、いくつかのワークショップも予定されているそうだ。詳細が分かり次第、当サイトでもお知らせする。


Hyperdub10周年記念のクロージングとなる日本ツアーへの参加が決まりましたね。あなたとDJ Spinnが来日する事は日本のJuke/Footworkコミュニティの間で大きな話題になっています。日本のJuke/Footworkシーンについてはご存知ですか?

LiteBulb(以下、L): もちろん! 日本に行くのはTHRAの仲間たちと共にとても楽しみにしているよ。日本に行く事は自分たちが作っている歴史にとって大切な一部なんだ。日本のJuke/Footworkシーンについては前々から知っていたよ。日本の事は2012年にPrince Jron(※1)から初めて聞いたんだけど、その後すぐに自分で日本のムーブメントをチェックしたね。Battle Train Tokyoっていう今度初めて参加する日本でとても有名なイベントの事も知ってるし、BootyTuneやSHINKARONとか彼らが作り上げてきた日本のムーブメントの事は全て知ってるよ。実はこの夏、DJ Fulltono、DJ April、Weezyの3人がシカゴへ来た時に会う機会があったんだ!しかもWeezyにはシカゴにいる間にTHRAのメンバーになってもらったんだ!彼がチームに加わったのはとても素晴らしい事だったね。

(※1)Prince Jron…シカゴのトップフットワーカーの一人。HaVoCクルーのリーダーでFootworKINGzのメンバーとしても活躍している。


Juke/Footworkカルチャーが世界中に広まっている事に関してはどうお考えですか?

L : 20年とちょっとの歴史がある中で俺たちの愛している事が今までにない新たな高みに近づいている。それを感じるのは最高な気分だよ!自分にとってもすごく刺激的で影響を受ける事だし、それにこのカルチャーを広めていこうという決意を以前よりも強くする手助けになってるんだ。こういった心の支えは近年小さくなっているシカゴのシーンにもう一度息吹きを吹き込むために必要だったから、こうなるべくしてなったんだね!

ストリートダンスのイベントに出演した時の映像。フットワークを踊っているのはDJ Manny、LiteBulb、DJ Spinn、A.G.の4人。

Juke/Footworkカルチャーにはどのようにして出会ったのでしょうか?

L : もし君がシカゴの都市部か郊外出身ならJuke/Footworkっていうのは知ってるもんなんだ。俺も実際にシカゴで育ったし、ただ小さい頃からフットワークが出来た訳じゃないけどね(笑)。シーンにがっつりハマったのは高校2年の時、Latisha "Tish" Watersって人がリーダーを務めている"3rd Dimension"っていうダンスチームに所属していた頃さ。このチームは今は"The Empire"って名前で活動しているよ。フットワークをする事にしか興味はなかったんだけど、地元の街でのイベントやステージで実際にパフォーマンスする為にダンスの振り付けも勉強しなければならなかった。そうすれば練習してステージでフットワークをパフォーマンスする事もできるからね!そうして練習してる内にTishがTerra SquadのT.Yを紹介してくれて、T.YがTerra Squadのトライアウトに招待してくれたんだよ。そこから自分にとって初となるバトルチームに参加して、このシーンの一部になった。他の人たちよりも上手くなる為に頑張ったね(笑)。


シーンで影響を受けた人物は誰ですか?

L : 俺はフットワークシーンの様々なレジェンドたちから影響を受けているよ。Rashad、Spinn、Terra SquadのA.G、Steve-o、Tristan。WolfPakのQue、Pooh、DeryonやEliにも。それに自分が教わって尊敬している二人はThe Tunnelに所属してるHottと今のフットワークを作り上げたAnt Brownだ・・・みんなそれぞれの才能を持っているしフットワークのシーンではとても尊敬されている人々だよ。


Terra Squadについて教えてください。

L : T.Sとも呼ぶんだけどTerra Squadはシカゴのサウスサイドを拠点にしている伝説的なフットワークのクルーさ。T.Sはフットワークを革新させ、昔からWolfPakやThe Tunnel、The Dungeonなどの様々なクルーと共に今見受けられる様々なスタイルへ強い影響を与えてきた。それにT.Sは自分が初めて参加したバトルクルーで今も敬意を払っているクルーだよ。自分が参加してた頃は少なくとも50人くらいのメンバーが家族として繋がってフットワークのシーンに君臨していたんだ。後に自分を含む何人かのメンバーが抜けてからグループは前のように強くはなくなってしまったけれど、それでもシカゴにおいて最も偉大なフットワークグループの一つだね!

LiteBulbがTerra Squadに所属していた時代の伝説的バトル。先攻はFootworKINGzのKing CharlesとPrince Jron、後攻はTerra SquadのA.GとLiteBulbだ。

あなたにとってJuke/Footworkカルチャーの魅力とは?

L : 正直にJuke/Footworkカルチャーの何が魅力かって言うと、今現在絶える事なく世界に広がり続けている事さ。音楽だけでなくダンスにも愛が向けられている事には本当に感謝してるよ!こうして君たちがはるばる日本から俺たちのカルチャーについてインタビューをしてくれている事さえも魅力的なんだ。とても素晴らしい事さ・・・ 信じられないよ。この記事はフットワークの歴史の一部だね!


フットワークを踊る際に一番大切な事はなんですか?

L : 俺が思うに一番大切な事は、自分に自信を持つ事と、技を披露する時も個性を大事にする事だ。一度それに気付けば基礎や基本として学んだフットワークの技術を組み合わせたり連続で使ったりできる。ルーティーンじゃなくね。そして己を学ぶ事によって自分自身の土台が出来る。だけど何より大切なのは音楽を愛する事だ。音楽を愛する事は人の個性をより豊かにするからね!


あなたがフットワークに出会った頃と今現在で何か違う事はありますか?

L : 2006年の初めに俺はこのシーンに関わりだしたから、当時と今の大きな違いと言えばインターネットを通してフットワークの音楽やダンスに触れられる事かな。俺が関わりだした時点で既にフットワークのペースは早かったし、インターネットがシーンに触れさえすればフットワークは広まる段階だったんだろうね。


DJ Rashadを尊敬する人は日本にも沢山います。DJ Rashadとの思い出を教えて頂けますか?

L : 思い出すだけでも沢山あるよ。俺はいっつもRashadのそばで踊ってたし、Rashadの周りで過ごしてたんだ。Rashadは俺の事を本当にベストフットワーカーの一人だと思ってくれてたし、彼とSpinnは俺のゲームに対するスイッチをいつも入れてくれた(笑)。でも強いてあげるなら、俺にとって一番の思い出はRashadとSpinnの二人と世界中をツアーできた事かな。場合によっては俺が唯一の帯同ダンサーだったんだ。だから特別な思い出だよ!よく皆で自分たちにしか伝わらないような本当にくだらない冗談を言い合って、どのツアーも笑って終わってたんだ。特に皆集まった時なんか本当に面白かった・・・もちろんステージはがっつり盛り上げてたよ。ロンドンから俺たちの故郷であるシカゴまで、そのすべてをね!

Sónar Festival 2012のステージの模様。LiteBulbはTEKLIFEクルーと世界中を飛び回っている。

TH王RAの成り立ちについて教えて頂けますか?

L : 2012年からスタートしたんだ。Terra Squadを離れて友たちのChief MannyやSte-lo、DempseyそれとCityと一緒になってクルーを作ったのさ。自分たちのカルチャーとフットワークのオリジネイターから受け継いできたものを次のレベルへと押し進めるためにね。最初はクルーの事を"Nu Era"って呼んでた。だけど2年後の2014年にRP Booと行ったLondon Berbican Festivalから戻った時、DJ Spinnに「ツアーに帯同するだけじゃなくてお前の選択で他のフットワーカーも連れて行ったらどうだ?」って言われたんだよ!だからTEKLIFEの一員としてではなく自分たちのクルーを作り直してTHRAって名付け、TEKLIFEクルーと共に最前線に立ち、ダンスと音楽を一つのものにしてやってるんだ。その後俺たちはシカゴのノースサイドに拠点を置く"Goon Squad"のP-Topとミーティングをして彼をメンバーに加えた。彼やビデオグラファーのWills Glaspiegelと共に今までやってきた事はTHRAにとって必要不可欠だったんだ。俺たちはフットワークをし、そして自分たちのマネージメントチームをまとめ、そして自分たちのアートやビデオをプロデュースする。全部自分たちでやるのさ!俺たちはTHRAだ!俺たちは自分たちが愛するものを正しい道順で広めていくミッションをしているんだよ。

Pitchfork Fes2014のベストアクトだと様々なメディアに絶賛されたDJ Spinnのステージの模様。TEKLIFEとTH王RAのメンバーが集結して故DJ Rashadに追悼を捧げた。

1:08からLiteBUlbの素晴らしいフットワークを観ることができる。


あなたとTH王RAの今後の活動について教えてください。

L : まず言える事は俺たちの未来は明るいってこと!俺たちは今現在、2015年に自分たちのYoutubeチャンネルで公開する映画やステージショウの準備をしているし、世界的にツアーを行ってパフォーマンスをする準備もしているよ。YouTubeで公開するものはフットワークの要素や俺たちが毎日経験している事を捉えた内容になるだろうね。フットワーカー達が生きていく中で抱いた他とは違う考え方を人々に与えるものになるよ。それに俺たち自身のプロジェクトに加えてパートナーでもあるTEKLIFEとビデオやツアー、イベントにステージショウなどを中心にコラボしていくつもりさ。近い内に公開されていくであろう数々のプロジェクトを楽しみしていてくれ!!Stay tuned!!!


あなた自身が好きなフットワーカーを5人から10人ほど教えて頂けますか?

L : 俺にとってのトップ・フットワーカーを何人かあげるとするなら、Ant Brown(※2)、A.G(※3)、Que、Hott、Steve-O、Tristan、Pooh、Eli、それにもちろんDeryonもだな。今あげたそれぞれの人物から様々なスタイルを学んだよ。だけど、Ant Brown、A.G、Steve-O、QueそれとPoohからは彼らがフットワーカーとしてどうやって今の地位まで上り詰めたかという点や、俺自身の技を完璧にする時に助けてもらった点から最も影響を受けたって言えるな。A.Gがさっき名前をあげた全員を俺に紹介してくれたんだ。だからA.Gのことは一番リスペクトしてる。Ant Brownには最近自分のレベルをより高める為に現在のフットワークの原型ともなったムーブを教えてもらったんだ!彼らはみんな最高の先生だよ。

(※2)Ant Brown…現在のフットワークの原型となったムーブを数多く開発。現在のフットワークの基礎を作った伝説的フットワーカー。

(※3)A.G…Terra Squadのリーダー。Traxmanの初来日公演に帯同して素晴らしいパフォーマンスを披露した。


あなたの好きなJuke/Footworkの曲を10個あげて頂けますか?

L : ついにこの質問がきた(笑)!申し訳ないけど10個じゃ収まりきらないから12個選んだよ。俺のTop12 Juke/Footworkソングはこんな感じ。

1.) DJ Rashad - Let U Know (DJ Rashad『Double Cup』収録曲)

2.) DJ Rashad - iPod (DJ Rashad『TEKLIFE Vol.1 Welcome to the Chi』収録曲)

3.) DJ Spinn - Deep13 (VA『FreshMoon Presents: 808k V.1』収録曲)

4.) RP Boo - GET'EM (Unreleased)

5.) DJ Rashad & DJ Spinn - Ghost (DJ Rashad『Just A Taste』収録曲)

6.) DJ Spinn - Let Me Baby (DJ Spinn『TEKLIFE Vol.2 What You Need』収録曲)

7.) DJ Rashad - I Don't Give A Fuck (DJ Rashad『Double Cup』収録曲)

8.) DJ Spinn & Taso - Burn Dat Kush (VA『NEXT LIFE』収録曲)

9.) DJ Spinn & DJ Rashad - Sunshine13 (Unreleased)

10.) DJ Rashad & DJ Spinn - Who Da Coldest (DJ Rashad『ITZ NOT RITE』収録曲)

11.) DJ Rashad, DJ Spinn & DJ Manny - O.T.S  (VA『NEXT LIFE』収録曲)

12.) DJ Spinn & DJ Rashad - Welcome to My World (Unreleased)

今あげたのは俺がフットワークを始めた頃から今現在を通してずっと好きなトラックなんだ。選んだ基準は単純に自分の魂やエネルギーをフロアに呼び起こすものかどうか。スムースで詩的な曲があったりハードコアで自分の足や体を複雑に動かせるような荒々しいベースラインが乗った曲もある。だから俺はフットワークが好きなんだ!

DJ Rashadの名曲'Ghost'。の0:54頃から「プーエイジキューライバ」という呪文のようなボイスサンプルが繰り返される。この印象的なフレーズはPoo、A.G.、Que、LiteBulbという4人のフットワーカーの名前を読み上げたものだ。


あなたは日本のJuke/Footworkシーンでとても人気のあるフットワーカーです。来日を楽しみにしているファンへ何かメッセージを頂けますか?

L : 本当に!?!? 自分が人気で本当のファンがいるなんて今まで考えもしなかった。とても恐縮な事だし日本で愛やサポートを送ってくれているすべての人たちに対して本当に感謝するよ。君たちの愛やサポートは俺やチームの皆をもっと燃え上がらせてくれるんだ。本当にね!俺たちTHRAをサポートしてくれてる全てのファンと日本で起こっているフットワークのムーブメントにシャウトを送るよ。皆には俺たちがそっちに行った時に会える時間を作っておいて欲しい!練習をしてTHRAとTEKLIFEと共に一晩かまし続ける準備をしといてくれ!スピーカーの下で会おう!俺たちのファンには特別な物を贈るよ!俺たちにしか作り出せないTHRAという生き方は一生ものさ!R.I.P Rashad & Miah

posted by BootyMusicJapan at 17:04 | TrackBack(0) | Interviews | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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