皆様はじめまして。広島でCRZKNYという名前で活動してる者です。今回はBroken Fingersについて書く機会をBMJさんに頂きました。
というわけで早速始めますね。
Broken Fingers (from US.)
Broken Fingers(以下BF)ってなぁに?という人はBMJの読者ではいないと思いますが一応簡単に。
カリフォルニア在住、本名Shawn Loeのソロプロジェクトで、特徴として、過剰過ぎるBASSと装飾一切無しの削ぎ落とされまくったソリッドな曲をやたらとハイペースで作り続けている、というのがJuke界隈でなんとなく思われてるイメージ。
かくいう私も今年2月にBMJの黒木さんのチャート(
D.J. Kuroki Kouichi 2011 Juke TOP5)を見るまで一切知らなかったわけなんですが、黒木さんが紹介して以降、クッキーシーンで近藤さんがレビュー書いたり(
BROKEN FINGERS『BF Juke 4』 Reviews by近藤真弥)と、まだまだ一般と呼ぶには程遠い知名度ですが、Juke好きの間ではかなりの知名度を誇る【異端児】的存在。
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Computers and Alone
BF Juke
BF Which House LP
そして次のアルバム『BF Which House LP』でまたインダストリアル全開の曲を披露。BFの中で渦巻いてる狂気(昔の写真見る限りめっちゃ好青年なんですけどね)が一応クラブミュージックの枠で語られるんですが、ハッキリ言ってポップさとは真逆の楽曲ばかり。かなりヘビーです。
BF Juke2
BF Which House 2
そして2011年に最後に出しているのが『BF Which House 2』。1よりも更に突き抜けた荒涼感。何でここまで、、、と思わず問いかけたくなるようなハードな内容(Sunriseって曲とか人類の終わりみたいな内容です)。生命誕生の過程を描いたらこんな感じになりそうです。名盤ですね。
BF Juke3
そして2012年に『BF Juke3』を発表。この中に収録された「Ha Juke」を黒木さんがチャートに入れてくれたおかげで私もBFにめぐり合えました。「Ha Juke」もBFJukeの到達点ですが(完全に狂っとる。。。)個人的には「And You're Still Floating」も激オススメです。
以降の作品は皆さんも日々追いかけてらっしゃると思いますので駆け足でのご紹介となりますが、
『BF Juke3』と同時期に発表された『The Deducer』はBF JukeとWhich Houseスタイルが融合した傑作です(BASSがキいてる!)。
次の『BF Juke4』の頃から製作にProtoolsを導入。グッと音がクリアになって、余計に音処理のヤバさが目立ち始めます。
その代わりに前作まで顕著だった過剰な音の歪みや低音で殺す勢いが薄まっています(にしてもかなり身体に悪そうな低音は依然鳴りっぱなしですが)。
そして問題作にして名盤の『Descentegrating』が発表されるわけですが、このEPは The Deducerの融合スタイルを更に推し進めた内容で、鳴りにしても楽曲の完成度にしても現在のBFサウンドの最高峰だと言って良いと思います。
ここまでくると、最早Juke云々で語れるサウンドでははなく、BFというジャンルが確立されているので、世間一般のJuke=シカゴのシャレオツサウンドを期待すると(誰もそれはBFに求めていない気はしますが...)、何だこれJukeじゃねーじゃん、となると
思います。
が、BFのJukeはBfのJuke、シカゴのJukeはシカゴ、といった具合に、Jukeはこんなに懐深いんだぜ、という多様性を体感するつもりで聴いて頂ければ。
その後纏められた現時点で最新アルバム『BF Juke5』はJukeというフォーマットを先に推し進めようとしている彼の魂が込められまくってます。聴きやすさは今までのBFの楽曲の中で一番です。洗練された雰囲気すら感じさせる曲が満載ですが、『Flesh』のようなヤバい曲も差し込まれていて、未だにまったく目が離せません。
また突然暴れだすんじゃない?と周囲が緊張しまくるのに無自覚なまま、このままBF地獄を突っ切ってほしいですね。
The Deducer
BF Juke4
Descentegrating
BF Juke5 http://brokenfingers.bandcamp.com/album/bf-juke-5
かなりの駆け足でBFの軌跡を振り返ってみたんですが、個人的には、BFがJukeを取り入れた瞬間は音楽史に残る事件だったんじゃないかなぁと。Mike incのSTUDIO1やpitaのseven tons for freeレベルの事件だと思います。
進化の瞬間というか。
BFは一貫してるんですよね。短い期間に膨大な曲を吐き出してるんですが、最初からまったくブレてない。Juke流行ってるから飛び付いた、的な下衆さが全然無くて、単にJukeのヤバい要素に惹かれて自然と融合した感じで。
何しろ、Jukeの要素っていっても、主に取り入れてるのはBASS、低音の異常さと三連譜くらいですから。
これは完全に推測なんですが、BFがJuke聴いた瞬間「あ!これがJukeか!」って認識したのが低音と三連だったんじゃないかなぁ。そこから、ずっと低音鳴らし続けてますよ、彼。歪みねぇです。
そんな感じで長年シカゴの極一部で温められ続けて、プラミューによって偶然のように世界中に広まってしまったJukeが、今も世界中で様々なスタイルで誤解やらエラーやら融合やら全部ひっくるめたまま進化してて、BFのJukeも極北の提示をした点でもっと評価されるべきだと思いますね。
日本はどうかというと、手前味噌な話ですが、私CRZKNYと食品まつりさんが監修した『Japanese Juke&Footworks』という総勢36組45曲収録のコンピが4月終わりに出まして、このコンピには日本のJukeの現在進行形の進化が詰まってます。
収録されている楽曲は各人の独自解釈なJukeやBASSやGhettotechで、まさに日本での進化の過程が一気に分かる大変お得な内容になっております。
Jukeスタイルの曲に限っていえば、誰一人同じスタイルの人がいない、という奇跡的な内容です。
超個人的な解釈なんですが、つまり、Jukeってその人がJukeだと思ったのがJukeだってことです。
シカゴの安定したヤバさも当然ヤバいですけど、今後、日本でJukeがどういう進化を遂げるかまったく先が読めないヤバさ(当然良い意味で!)も、是非体感してほしいです。
当然ながら、参加してくれたトラックメーカーは全員要チェック!!ヤバい!!!
http://nippon-juke.tumblr.com/
※因みにDL制限のせいで現在Bandcampが有料配信になっていますが以下のMediafireのリンクからフリーでDLできますので、是非Mediafireの方でDLしてください。
File2(23~45)
http://www.mediafire.com/?wu6eimlwpb5yfd4
最後にCRZKNYの情報を。一応曲はそれなりの数作ってます。作っておいてなんですが、Jukeとかあまり詳しくないので、Juke界隈のパイセンに教えを乞う日々を送ってます。。。
http://soundcloud.com/crzkny
因みに私がBFの大ファンということで今回の記事依頼が来たわけなんですが、以前BF本人に無許可でI'm BF FREAKって曲まで作ったこともあります。事後承諾のような形で(DJ Aprilさんに手伝って頂いて)BFに伝えたところ、BFも気に入ってくれたみたいでホッと胸を撫で下ろしたりしました。
最新のリリースはJuke Elingtonが纏めている『World Wide Juke EP』シリーズのVOL1にTraxmanなどに混じって「I'm Broken Fingers FREAK(ver2)」という曲で参加しているので良かったらTraxman目当てにでもDLして聴いてもらえたらと思います。
http://worldwidejuke.com/
私はBFのトラックで踊りたいし聴いて刺激受けまくってます。皆さんも是非BFの曲を(出来れば大音量で)聴いていただいて大いに楽しんで頂きたいと思います。
そして全国各地のDJの方はBFトラックでクラブを低音と狂気の坩堝にしていただければと思います!
(文:CRZKNY)
Broken Fingersの曲はサウンドクラウドで日々更新されてます☆
http://soundcloud.com/broken-fingers
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(c)BootyMusicJapan2012
posted by BootyMusicJapan at 23:34
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