
Juke TraxのDJ RashadがフランスのBootyMusic情報サイト[Booty.be]のインタビューに答えた。
シカゴハウスをルーツに持つゲットーテックシーンの詳細がまたひとつ明らかになった。
◆DJ Rashad インタビュー
-----どのようにJUKEのシーンと関係してきたのか?あなたの個人的な経緯を少し教えてください。
DJ Rashad(以下R) すべては1997年ごろに始まったんだ。その頃、DJ Deeon、Dj Funk、Dj Milton、そしてPaul JohnsonがDance Maniaレーベルからリリースしていた。
俺は若いやつは皆そうだったんだけど、このサウンドに衝撃を受け、こんなことがしたいと思ったんだ。
ちょうどその頃、いとこがDJをやっていて一緒に曲作りを始めて、しばらくしてDj NephetsとGant-Manと知り合いになって、WKCC FMのRADIO SHOWでプレイし始めたんだ。無茶苦茶クールな時間だったよ。
でも、しばらくして俺たちはそれぞれ自分の道へすすむことになったんだけど、しばらくして俺は、Dj Spinn、Dj Clent、Dj Chipたちと知り合いになったんだ。
Dj Chipは、何タイトルかDance Maniaからリリースしていて、それで彼を通じて、Dance ManiaからのDj Chipの作品 "Bang Ski"に初めて参加するチャンスをゲットできたんだ。
Dance Maniaのいいとこは、オーナーのRay Barneyが曲を送る前に曲の金をくれるんだ。言ってみりゃ“楽しんで、いい曲作れよ”みたいな感じだった。
とにかく俺は、Clentと一緒にDance Mania用のEPを作ったんだけど、
しかし、その頃Dance ManiaはつぶれてしまってEPはリリースされなかったんだ。
----Dance Maniaのほとんどの楽曲はその頃“ゲットー・ハウス”と呼ばれていました。でもある時期をさかいに“JUKE”と呼ぶようになりました。最初に使い出したのは”Dj Puncho”ですが、彼は何故この言葉を使い始めたのでしょうか?
R: Dance Maniaの曲(DM276)でDJ PUNCHOが、この“JUKE”って言葉を最初に使ったってのは事実だよ。うーん、でも何で皆が使い始めたたんだろ?
俺が思うには何かJUKEBOXなんかから来てるんじゃないかな。もちろん、今は”JUKE”って言葉は“JUKE”っていうシーンそのものなわけだけど。
----実際に“JUKE”というシーンはシカゴではどのくらい大きくなっていますか?例えば、私はJUKEに合わせて多くの人々が踊る“Footwork”をYoutubeなどで見ました。しかし、一方では商業的なラジオ局は、確かPower92.FMを除いて、”JUKE”をかけないと読んだことがあります。このあたりはどうですか?
R: まず第一にはっきりさせないといけないのは、“JUKE” って音楽には二つの異なったタイプがあるってことだ。
ひとつはFootwork(ダンス)のためのよりベーシックなものでアンダーグラウンドなものだ。
タムタム、クラップ、ベース、キックに短いサンプルでできていてFootworkに準じているんだ。俺の曲”XTC”なんかはほんとによい例だよ。
もうひとつは、コマーシャルな"JUKE"で、大体はR&BやHIPHOPのリミックスだ。人気についていえば、6対4ぐらいって感じであんまり大差はないね。でもラジオでもっとかかるようになれば、コマーシャルなJUKEのほうはもっとプレイされるようになるよ。まあ、大体、曲がきわどい感じだし、アンダーグラウンドの作品がプレイされない理由ってのはそれだね。
その2つのタイプが合わさって”JUKE”なわけだけど、ストリートのキッズたちにはほんとに人気があって一番大事なものなんだ。

----“JUKE”はシカゴではすでに人気があるわけですが、他の州や国にも広がっていっていると思いますか?
R: そうだね。アメリカの他の州でも人気があるね。例えば、ミネソタでプレイしたし、皆、”JUKE”をすごく愛してくれていたよ!ヨーロッパについて言うと、地元のDJやプロデューサーたちも取り上げてくれている。KILL FRENZYなんかは人気があるっていういい例だ。
----あなたや他のDJたちはどうやって"JUKE"をシカゴの外へ持ち出したのですか?
R: それにはほんと苦労したわけなんだけど、ベルギーでプレイするっていう機会があったってことがシカゴから外に持ち出すいいプロモーションになったんだ。10年前にはそんなこと夢にも思わなかったけど。しかし実際、俺たちを嫌っているDJもいるわけだけど、奴らはほんと間違ってるね!誠意を見せればシカゴの連中より良くしてくれるヨーロッパの連中もいる。まあ、嫉妬だね。多分、ほんとのとこは。
----かいつまんで言うと、シカゴではすでにほんとに人気があって、どんどんヨーロッパでも人気が出てきているということですが、それで食べていけるぐらいの人気になっているということでしょうか?
R: そんなことないよ。俺は昼間の仕事もやって食ってる。音楽は俺の人生だし、俺自身を表現する方法だ。でもそれだけじゃ食えないよ。他の”JUKE”のプロデューサーたちも大体そうだよ。
----月並な質問ですが、ベルギーで回すこと以外で、2009年の終盤に何か予定はありますか?それと作品に関して、"JUKE TRAX ONLINE"で何かお楽しみはありますか?
R: 俺のレーベルGhetto Teknitianzで考えてることがたくさんあるんだ。Dj RemiやDj Pillsburyとか若いアーティストも大勢いる。新鮮な作品もあるし、大勢、新しい奴もいるけど常に新鮮で新しいっていうことはないんだよね。
----Gant-ManのレーベルBang The Box Recordingsでもいくつか予定があるということですが。
R: それに加えて、JUKE TRAX ONLINEでDJ GODFATHER、OMEGA、KILL FRENZYとの作品もひかえている。まあ、いい感じの年末になると思うよ。

----作曲についてなのですが、多くのHIP HOPやGHETTO系のプロデューサーは曲作りにはソフトではなくハードの機材を好んで使うと聞きました。例えば、MPCやシンセサイザーとかですが、何を好んで使ってますか?
R: 俺がメインで使っているのはREASONと同期させたMPCと何台かのシンセだね。
----あなたがシンセを曲の中でよく使っているというのが、多くの”JUKE”のプロデューサーのなかであなたを際立たせていることになっていると私は思っているのですが。
R: そうだね。まあ自然とこうなったんだ。やってみるかと思ってやってみたらうまくいったって感じだよ。
----他の機材についてなのですが、よく議論になることなのですが、DJするときに何を使うかということについてです。2年前ぐらいからSERATOがDJたちの間に広まってきて主流になってきていますが、シカゴではどうでしょうか?"JUKE"のDJたちはSERATOを使っているのか、それとも何か他のものを使っているのでしょうか?
R: 現状では、SERATOの奴もいるしCDJの奴もいるね。個人的にはSERATOかな。速いし、大体のフォーマットと互換性があるし、将来性があると思う。
知ってると思うけど、DanceManiaがつぶれてしまったとき、誰も立て直そうとはしなかっただろ。GODFATHERが立て直すまでね。その時、MP3を彼が選んだってのは賢かったんじゃないかと思う。
----最後に何かありますか?
R: 2009年、2010年、DJ Rashadを見といてくれ! Keep It Juking!
(RS- Transit Records Kyoto)
過去の記事
DJ Rashadチャートは

BootyMusicBlog
